40歳の女装男子さんをモデルにしたブランド起業に際し再考した、「常識」という概念

※これは、私が3年前に立ち上げたファッションブランドに関わるお話です。あの時お世話になった皆さま、本当に感謝です。今は昨今のコロナ事情などもあり、思うように事業を進められてないですが、道が定まり次第、ベストな形で先に進められたらうれしいです!

Forbesに出さなかった記事ですが、折角なので当時の思いが伝わればよいと思い出しました☆

私は3年前に大好きなお洋服の世界で新しいプランドを立ち上げました。
モデルは当時40歳で2人の娘さんを持つ素敵な女装男子の谷琢磨さんです!

新卒から10年間ファンドマネジャーとしてキャリアを積んでいましたが、17年続けたコスプレの世界で有名になった事が契機となり「心からやりたい事で人生を楽しみたい」という思いから行いました。
今まで世の中になかったものを新たに世に出すことにより、世の意融改革に貢献したいと考え、モデルに40歳の女装男子さんである谷琢磨さんをを起用した「年齢性別関係なくKawaiiになれるブランド」としました。

「世の価値観に左右されて、本当は自分がやりたいと思う事が出来ないのは短い人生本当に勿体ない、だからこそ、世の価値観自体をやりたい事が出来る世界に変えてしまおう!」という思いからです。

女装男子という元々表立った需要層が見えないエリアに新たなマーケットを作ろうとしたこともあり、このブランドを広めていくプロセスにおいて、多くの人から首を傾げられました。
でも、だからこそ一つの大きな気付きを得ました。
それは「世の中は、良く考えたら常識ではないことが非常に多い」ということです。

年齢・性別に対する思い込み
世の中には「年齢·性別にそぐわない服」という概念がある事に改めて気づきました。
私は昔から一貫してKawaii服が大好きでした。
しかし、私の周りには「もうそんな年齢じゃないから」「若作りしていて痛々しいと周りに言われそう」という理由で可愛い服を着るのを断念する人たちがいました。
また、同じく、女装の世界にも周りに言えない、変と言われるのが怖い」「こんなことをやっている自分は社会的に間題があるのでは」と考える人たちがいました。
女装をしたい人は肩書きや年齢関係なく本当に色々な場所にいました、意外なことに、人生に余裕がある極めて普通の人達の層にも女装願望を持つ人はー定数います。
だけど、心からやりたいと思っているのに、人格や元々の個性とは全く別のところで他人に判断される恐怖や負い目と戦わなければならないのは大変だろうと感じました。

名称が必要なくなる世界に
固有の名称が付くという事も、その物事に線が引かれる発端の一つではないかと思います。コスプレイヤーも、女装男子も全てそうです。
私のブランドをLGBTと共に語る人もいたが、LGBTという言葉がある事自体、世の中が線を引いていることの象徴ではないかとすら思いました。
このようなことも、ブランドを立ち上げた後に考えたことでした。
私はLGBTという言葉自体が必要なくなる世界になれば···と強く思っています。

男らしさ、女らしさ
多くの人に事業の説明をしていく際に、色々な人に「女装とか、興味ないんで」と苦笑いされました。よくよく考えてみたら、なぜそんな反応をするのか分かりませんでした。
「そもそもなぜ、男の人が可愛い服を着るのが“苦笑いすべきもの”なのだろう?」と真面目に考えてみました。
しかし、これは想像以上に難しい疑問でした、多分そこには「今の世の中がそういう価値観だから」以上の明確な答えがなかったからだと思います。

もし、世界に大変革を及ぼすレベルの女装男子が誕生したら、根処なくネガティブな反応をしていた大多数の人達は急に「俺の方が女装を良く知ってる」と騒ぎ出すのではとすら思いました。
そして、この「苦笑い」という反応は、まさに10年以上前のコスプレに対するー般人の反応にも似ている気がしました。

これは、突き詰めると「ちゃんとしなきや」と刷り込まれた社会で、全てに対して適切な判断をしなきゃと考えるようになった「ちゃんとしようと頑張る」人間の苦しみの種とすら感じました。
そしてむしろ、その物事をしっかりと知った上で判断するケースこそ、否定的な偏見は入らないように感じた。

常識的じゃなくても良い
常識的にしなきゃ、ちゃんとしなきゃ、という概念が「自分は大多数でいる」という事に安心感を感じさせます。
でも、本当にそのように振る舞う必要はあるのかどうか?とこのブランド立ち上げに際し再考しました。
大人になると、電車の中やカフェの中、オフィスの中、それぞれの場でTPOをわきまえて場にそぐうようちゃんと振る舞おうとする癖が染み付いていきます。

しかし実際は隠しているだけで、同じカフェや電車の中にすら、コスプレや女装が好きな人ですら何人もいるかもしれないです。

「ちゃんとしなきゃ」を手放すだけでも、人生が少しだけ楽しくなり、新たに見えてくる世界はあるのではないだろうか?

この事業立ち上げに際して沢山の人に会い、見えないカオスは幾らでもあると再確認しました。いずれそこに話題を絞った記事を書く機会があったら嬉しいです。

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