これも以前Forbes用に書いたもので結局出さなかったものです。
折角の機会ですので、ここでシェアさせてください☆
やりたい事でお金を得るのは難しいのでしょうか?
私は難しくないと考えます。
私は起業する前は国内外の金融機関でファンドマネジャーを10年やっていました。
ファンドマネジャーというのは、巨額のお金を株や債券等に投資する仕事です。当時は毎日国内外の経済や企業業績の分析を行い、マーケットの数字とにらめっこしていました。
このようなキャリアであれば、独立するとしても投資ファンドや投資プラットフォームの立ち上げ等を行うのがキャリアステップとして順当であろうと考える人も多いです。
ですが、私はファンドマネジャーとは全く無関係のファッションブランドを立ち上げました。
お洋服こそ大好きであったものの、卒業したのは服飾専門学校ではなく4年制大学の経済学部でした。
今までのキャリアも、実際に積んできた経験も、全てお洋服とは無関係でした。
しかし、始めてみたら何とかなりました。というか、何とかせざるをえなかったです。そして何とかなりました。やりたい事でお金を得ることは難しいと頑なに感じるとしたら、それは、何よりもその思い込みが現実をそうさせているのではないかと思います。
最初からやりたい事に順当に進める人は稀
学生時代から本当にやりたい事が見つかっている人は何人いるでしょうか?
私はほとんどいないと考えます。
小さい頃からやりたい事が決まっている人は、親の言葉の影響で気づいたらそう思っていたというケースもあるのではないでしょうか?
そして、たとえやりたい事が見つかっていたとしても、年を重ねてから「もう十分だ」「やっぱりこれじゃなかったかも」と思い直す事が誰しもあるのではないでしょうか。
ここで伝えたいことは「やりたいこと」が見つかっていない事に対して自分を責める必要はないということ、そして、たとえ現時点で見つかっていたとしても、それに一生縛られる必要はないという事です。
誰かに自分自身を話すときに体裁ばかりを考え、説得力ある辻棲合わせばかり考えているうちにその体裁と辻接合わせで自分自身を縛っていないでしょうか。
やった事ない事でも、どこかで必ず自分の経験にリンクしている
お洋服ブランドを立ち上げた際は、昔からの夢ではあったものの不安でした。
収益性と在庫リスクを考えたら卸売事業等の方が良いのでは···というフィナンシャル的な思考は横において、私は敢えて本当にやりたい自ブランドの立上げに正面からトライしました。
立ち上げ当初は、何かで悩むたびに「服飾学校を出ていればよかった」等と理由付けをして自分を責めたりもしました。
しかし、そこで沢山の未知の経験をして、後から冷静になって振り返り、最終的に気づいたことが「どんなことも、上位概念では必ず自分の経験にリンクしている」ということでした。
服飾の世界の細分化した話は、確かに経験や知識がないと分からないです。
しかし必要な行動を上位概念へと変換していくうちに、結局ほとんどの事が「どんな人生を歩んでいたとしても経験したであろう事」だということに気づきました。
このことに気づけただけでも自分の可能性はかなり広がりました、そして、「意外となんとかなるかも」というメンタルで取り組んだ方がうまくいくという事にも気づけました。
それでも分からない!と思ってしまうときは、大抵「分からない」という描写に全てを丸投げして何かから逃げたい時でした。
大人になればなるほどリスク管理能力が高まります、何かをやる前に「こんなリスクがあるかも」と瞬時に幾つものリスク要因を思いつくようになってしまいます。
しかし、今回お洋服ブランドを立ち上げて改めて再確認したことは「リスク要因はほぼ全て顕在化しない」という事でした。
むしろ、リスクを覚悟でチャレンジすることにより、事前に想定していたリスク以上に得るものが沢山ありました。
そして、その経験は「もう若くないから無理だ」という世の中で良く言われる言葉等が決して常識ではない事も経験を以て学ぶことができました。
全体を示唆している訳ではない根拠なき一般論に振り回されることも減りました。
ここまで読んでいただいて、起業に限らず多くの事について、やる前からあきらめているかもしれない事、でもやる価値がある事を少しでも再考してもらえたら嬉しいです。
常識的に難しいのでもなく、出来ないのでもなく、結局は自分の心が勝手に「無理だ」と決めつけているだけなのかもしれないのですから。